風の前奏曲(The Overture)
製作・監督・脚本:イッティスーントーン・ウィチャイラック 製作:ピサマイ・ラオダーラー 脚本:ドンガモン・サターティップ/ピーラサック・サックシリ 撮影:ナタウット・キティクン タイ伝統音楽:チャイパック・ブトラチンダ/コー・パイ/ナロンリット・トーサガー 音楽スコア:チャーチャイ・ボンプラバーバン 2004年タイ 製作:サハモンコンフィルム・インターナショナル/ブロムミット・ブロダクション/ハンサー・フィルム=ギミックフィルム 配給:東宝東和 上映時間:106分 カラー・ビスタサイズ
出演:アヌチャット・サパンボン/アドゥン・ドゥンヤラット/アラティー・タンマハープラーン/ナロンリット・トーサガー/ボンバット・ワチラバンジョン/プワリット・プンプアン/スメット・オンアード
上映館:新潟シネ・ウインド
採点:★★★★
タイの伝統楽器、ラナート奏者の伝記的な物語。物語自体はフィクションだが、一つの芸を極める人間の姿と、第二次世界大戦中に民族的なものを徹底的に弾圧した国の政策にほんろうされた人たちの姿を見事に描いている。
国営楽団の演奏者となり、有名な演奏家となった主人公が、息子が買ったピアノと合奏するくだりが印象的。てっきり「こんな西洋楽器を買って!」と怒り出すのかと思ったら、息子に弾かせてすぐに合奏をしてしまう。真に音楽を愛する心をもった人物として描かれているのも好感を抱かせる。
タイは有数の映画大国だという。こうしたすぐれた作品がもっと日本で観られるといいと思う。

0