「ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち」(NICKY'S FAMILY)
2011年 チェコ/スロヴァキア (エデン=ポニーキャニオン) 101分
監督・製作・脚本:マテイ・ミナーチュ
(ドキュメンタリー)
上映館:新潟市民映画館シネウインド
採点:★★★☆☆
第二次世界大戦直前、ナチスによるチェコスロヴァキア侵攻を目前にしてせめて子どもたちだけでも国外へというユダヤ人たちの願いを託され、何の手づるもないところから多くの難民の子どもたちを脱出させ、イギリスに避難させたニコラス・ウィントンのドキュメンタリー。
実際に脱出したひとびとと、何よりも本人に対するインタビューに再現フィルムを交えて当時の状況を細かく描いたのは興味深いです。何よりも何のコネクションもなしに行動し、多くの子どもを救ったというのはすごい。
この事実は本人が口を閉ざしていたため、長年知られていなかったものが、1980年代になって妻が納屋で一冊のスクラップブックを発見、それをBBCの番組が取り上げて知れ渡ったのだそうです。
以後、ウィンストンは難民支援活動のパイオニアとして世界中の活動の象徴となったのだそうです。映画の終盤はちょっと難民支援の宣伝番組ぽくなっていましたが、全く見ず知らずの子どもの受け入れなど、イギリス人というのは懐が深いと思いました。
翻って我が国で外国難民の子どもの受け入れを提案した場合、里親として受け入れるひとはどれくらいいるのでしょう。なんだか恥ずかしい気持ちにもなった映画でした。
http://www.nicholaswinton.jp/

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