「神様メール」(LE TOUT NOUVEAU TESTAMENT:THE BRAND NEW TESTAMENT)
2015年 ベルギー/フランス/ルクセンブルク(アスミック・エース)115分 PG12
監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル 製作:オリヴィエ・ローサン/ダニエル・マルケ 製作総指揮:ジャコ・ヴァン・ドルマル 脚本:トマ・グンジグ/ジャコ・ヴァン・ドルマル 撮影:クリストフ・ボーカルヌ 美術:シルヴィー・オリヴィエ 衣装:カロリーヌ・クーネル 編集:エルヴェ・ド・ルーズ 音楽:アン・ピエールレ
出演:
ブノワ・ポールヴールド(父=神様)/カトリーヌ・ドヌーヴ(マルティーヌ)/フランソワ・ダミアン(フランソワ)/ヨランド・モロー(母=女神)/ピリ・グロイン(娘=エア)/ローラ・ファーリンデン(オーレリー)/セルジュ・ラヴィリエール(マルク)/ディディエ・ドゥ・ネック(ジャン=クロード)/ロマン・ゲラン(ウィリー)/マルコ・ロレンツィーニ(ヴィクトール)/ダヴィッド・ミュルジア(兄=イエス・キリスト)
上映館:ユナイテッドシネマ新潟SC5
採点:★★★★☆
原題は「新・新約聖書」という意味みたいです。神様がブリュッセルのアパートに住んでいて、暇つぶしにマーフィーの法則みたいな法則を作って人々を不幸に陥れているというとんでもない設定。
そんな神様に嫌気がさした10歳の娘エアが人類すべてに余命のメールを送り、パソコンをロックして家出してしまいます。パソコンが無いと何もできない神様は娘を追って人間界に。一方娘はひどい世界を変えるために新しい聖書を作るべく、新たな使徒を探します。
その使徒たちは、美人だけど片手を失った孤独な少女、余命83日を知って預金を全額引き出してセックスに狂う男、夫と冷めた関係で街頭で男妾を買うが、満たされないマダム、保険屋を辞めて密かにスナイパーになる男、といった、みんな心に孤独を抱えた人たち。ホームレスで携帯を持っていないため余命を知らない男を書記にエアの旅は続きます。
予告編ではもうちょっとコミカルな映画かと思いましたが、ちょっと不思議な雰囲気を持ったファンタジーでした。エアが出会うひとそれぞれの胸に耳を当てて聴く音楽がヘンデルだったり、シューベルトの「死と乙女」だったり、心に響く音楽なのが良いです。
一方、人間世界に降りてきた傲慢な神様が受ける仕打ちの数々。ヨーロッパ人はキリスト教に対して実は深い恨みがあるんじゃないか、と思わせる描写です。
いい意味で裏切られた映画でした。
http://KAMISAMA.ASMIK-ACE.CO.JP

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