「おらおらでひとりいぐも」
2020年(アスミック・エース) 137分 映倫:G
監督:沖田修一 原作:若竹千佐子 脚本:沖田修一 エグゼクティブプロデューサー:豊島雅郎/濱田健二 プロデューサー:竹内文恵/西ヶ谷寿一/西宮由貴 共同プロデューサー:森重宏美 ラインプロデューサー:吉崎秀一 撮影:近藤龍人 照明:藤井勇 録音:矢野正人 美術:安宅紀史 装飾:山田智也 衣装:纐纈春樹 ヘアメイク:田中マリ子/石田伸 音響効果:伊藤瑞樹 編集:佐藤崇 音楽:鈴木正人 主題歌:ハナレグミ スクリプター:押田智子 VFXスーパーバイザー:オダイッセイ アニメーション:四宮義俊 フードスタイリスト:飯島奈美 音楽プロデューサー:安井輝 プロダクション統括:木次谷良助
出演:
田中裕子(現在の桃子さん)/蒼井優(昭和の桃子さん)/東出昌大(周造)/濱田岳(寂しさ1)/青木崇高(寂しさ2)/宮藤官九郎(寂しさ3)/田畑智子/黒田大輔/山中崇/岡山天音/三浦透子/六角精児/大方斐紗子/鷲尾真知子
上映館池袋HUMAXシネマズ#2
採点:★★★★☆
夫に先立たれ、一人暮らしをしている75歳の女性の妄想を映像化した作品。映画の開巻、地球の誕生から人類の発生までの映像が始まってなんだこりや、となって、現在の一人暮らしの老婆の姿が映ったかと思うと、いきなり三人の男性登場。三人とも老婆と同じ出で立ち、スカート姿。それは彼女の頭の内なる声の擬人化な訳ですが、この映画は老婆の日常を描きつつ、彼女の頭の内なる声、そして彼女の若き日の回想と自由に描写されて行きます。
こうして書くとかなり混乱しそうですが、実際には描写が極端に走っているので現在、過去、妄想の区別は突きやすいです。
なんといっても田中裕子の演技が自然で良いです。実際の彼女は65歳なので桃子さんは10歳年上なんですが、無理のない演技です。
そして、彼女が自由を求めて故郷を出たにも関わらず、夫への愛ゆえに自ら旧来の女性の生き方にとらわれて生きてしまったという自責の念を見事に描いています。
夫はそんな自分を解放するために先立って行ったのだという思いは現代の女性の行きづらさを象徴していると思います。
ちょっと長尺な映画ですが、この長さはこの映画にとって必要な長さだったというように感じました。
http://oraora-movie.asmik-ace.co.jp/

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