「夏時間」(Moving On)
2019年 韓国(パンドラ)105分
監督:ユン・ダンビ 製作:ユン・ダンビ/キム・ギヒョン 脚本:ユン・ダンビ 撮影:キム・ギヒョン 編集:ウォン・チャンジェ
出演:
チェ・ジョンウン(姉オクジュ)/ヤン・フンジュ(父ビョンギ)/パク・スンジュン(弟ドンジュ)/パク・ヒョニョン(叔母ミジョン)/キム・サンドン(祖父ヨンムク)
上映館:新潟市民映画館シネ・ウインド
採点:★★★★☆
夏休みに父と弟と3人で祖父の家に行った少女の物語。父は家財道具を売り払ってしまったし、この家にずっと住む積もりなのかも。じいちゃんの具合が悪くなって駆けつけた叔母さんも、夫と上手く行ってないらしく、しばらく一緒に住むと言っているし。
そんな10代の少女の微妙な心理をゆっくりと描いて行きます。
生意気盛りの弟とはしょっちゅう喧嘩が絶えないけど、何かにつけて頼ってくるところはやっぱり可愛い。でも、家を出て行った母に時々会っているのが癪だ。本当はあたしだって会いたいけど、絶対にあの女は許せない。
今日は知らない女の人が家を見に来た。どうやら父はじいちゃんを老人ホームに入れて、この家を売り払う積もりらしい。そんなの絶対嫌だ。少なくともじいちゃんに内緒で売るのは良くない。父ちゃんのばか!
なんていう話ですが、もちろんそんなモノローグがあるわけではなく、主人公オクジュの繊細な演技によって観客は全てを知ることとなります。わざとらしく効果を盛り上げるような音楽も一切無く、唯一じいちゃんが、オーディオで古いラブソングを掛けるくらいです。
なので、ちょっと眠気を感じてしまうくらいなのですが、少女のありのままの感情を美化することなく、等身大で描いた佳作だと思います。
少女を演じたチョ・ジョンウンは10代前半にしか見えませんが、2001年生まれなのでこの映画撮影時には多分17歳位だと思います。やはりそれくらいの年齢でないとあの微妙な演技は出来ないのかも知れませんね。
2021/7/7 12:25 (202177)
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