2004/6/25

コーナーでの追い越し  モーターレーシング

追い越しはモーターレースの華であるが、その面白さは分かっても、追い越しの時に何が起きているか、一般には分かりずらいと思われる。佐藤琢磨のすっかり有名になった追い越シーンもむしろ業界では何の非難もないのに、素人(観戦に関してでなく、ドライビングに対しての)の人の方が、むしろやきもきしているようだ。知っている限りのことを解説したいので、新たな目で見てみて欲しい。

佐藤琢磨の今年の典型的な例でいえば、ヨーロッパグランプリの一コーナー、バリチェロにしかけた件だが、バリチェロはかなり文句があったようだが、追い越しそのものは正当な形だと思う。問題はあの周回、結果としてバリチェロは気付いてなかったので接触、自らがダメージを負う形になったことの是非なのだと思う。この点は難しい判断になる。しかしその後、佐藤に対しては周辺はよく気をつけるようになったので、そのメリットへの投資だったともいえる。また、シーズン当初のラルフ、今回のアメリカでのフリー走行中のマッサと審議の結果警告を受けたのは佐藤でなく相手方であることからも、佐藤のパッシングが尋常でない良質のエンターテイメントであることが証明されると思う。

そもそも、モーターレースにおいてはコーナーではどの車も一様に減速し、そこから加速するものであること、F1ドライバーであれば、基本的にどうすればよいか分かっているし致命的なミスもそれほどないことを考えれば、相当なマシンの能力差がなければ、そもそも追い越しは不可能なのです。ではコーナーにおける追い越しのチャンスはと考えると、レコードラインは大回りであることが原則なことがポイントになる。アウトインアウトという言葉があるように、タイヤの能力を考えてもコーナーはできるだけゆるやかな角度を描く方法が次の加速のためにも最良ですし、コーナーを回り始めるには減速が必要で鋭角のターンになればなるほど速度を落とさなければならないし、減速はステア直立時が一番効率的でもあります。全体的なラップタイムの向上を目指せばひとつのコーナーを曲がるときには外側から充分減速して緩やかに曲がらなければなりません。そこに佐藤がよくやるようにその内側に、その後の立ちあがり加速を無視して突っ込んでいけば相手は行き先を塞がれて、その先で得られるはずの加速のメリットを失ってしまい追い越しが実現する訳です。突っ込んだ方は転回も鋭角になるので当然コーナーの回り込みもより遅い速度になりますし、そこからの加速になるので後方をブロックすることが必要になってきます。これがうまくいかないと再度追い抜かれたりする訳です。

そしてこういう行為がレーシングスピリットに反しているかと言えば、そうでなくこれが追い越しというものなのです。むしろ相手がぶつけようと思えばいくらでもぶつけられるのでリスクがあるのですから、ラルフやマッサの行為のほうが責められるわけです。
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2004/7/21  0:36

投稿者:cathyさん

陽韻さんのコメントを読んで、もう1度アメリカGPの琢磨・トゥルーリのシーンを観てみました。一瞬の判断の誤りでミスをするし、そこをきちんと突いていく判断が下された瞬間なんだなーって思ったら、ドキドキハラハラも倍増でした♪

http://diary.jp.aol.com/applet/ujsb9bk/32/trackback

2004/6/29  11:27

投稿者:陽韻さん

ブレーキの我慢較べという意味ではこのアメリカでの3位をめぐる佐藤とトゥルーリのブレーキング競争も見応えがありました。パッシングの場面でトゥルーリも一瞬オイル旗に気を取られたとの報道ですが、実にフェアな姿勢で、佐藤に対して挽回の部レーキングを見せたので結果両者コースオフという結果でしたが、無事ふたりが復帰したのはさわやかでしたね。

2004/6/27  19:58

投稿者:cathyさん

ドライビング知識がほとんどゼロなので、ゆっくりじっくり読みました☆コース上は『レコードライン以外はダーティー』って位しか知らず、追い抜きに対して単純に、追い抜く方がブレーキをギリギリまで踏まないから、追い抜けるんだと思い込んでいました。
それだけではなくて、その次の加速などの展開も考えていたんですね〜。改めてヨーロッパGPを見てみようと思います(゜▽゜)

http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=1965dublin


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